遠い。格式が高い。少し敷居が高い。
学校の音楽の授業や、昔のレッスンの記憶。
それぞれに、それぞれのイメージがあると思います。
けれど本当は、そのイメージの奥に、まだ誰も案内してくれなかった扉がいくつもあります。
このコンサートは、演奏を聴くだけでなく、その扉の鍵——作品の背景や、音がつくられる仕組みを、少しだけ一緒にのぞいてみる時間です。
知っていることが多いか少ないかは、関係ありません。
まだ知らない扉が、音楽の中にあります。
楽譜には、音の高さ、時間の流れ、響きの重なり——作曲家が遺した、たくさんの手がかりが記されています。
その手がかりを少し知るだけで、平面だった地図に奥行きが生まれ、音の景色が立ち上がってきます。
その景色は、心地よいものだけではありません。緊張する場所も、思いがけず扉が開く瞬間も、ふと香りがしてくるような旋律も含んでいます。
このコンサートで演奏家が語るのは、正解ではありません。作品の背景、楽器の成り立ち、音の重なりの仕掛け——聴くみなさんそれぞれが、音楽の中を歩き、自分だけの景色を見つけるための手がかりです。
格式は高く。けれど、感じることは自由に。
音楽という旅の入口を、ひらきます。
このコンサート、いちばんの特徴です。
同じ1曲を、形を変えて2度、お聴きいただく場面があります。
まず、聴く少しだけ、知るそして、もう一度
1度目は、何も知らないまま。そのあとで、音の仕組みを少しだけひもときます——音がどこに向かおうとしているのか。いちばん下で、静かに音楽を支えている声のこと。
そして、もう一度。
同じ演奏のはずなのに、聴こえてくるものが変わっている。
その瞬間を、上質な楽器が響くホールで、目の前でお楽しみください。
Program
全8曲 / 休憩をはさんで 約100分
C. ドビュッシー(1862–1918)
《無伴奏フルートのための「シランクス」》フルート独奏
ムーレによるギリシア神話に着想を得た、フルートという楽器の原点への旅。説明のないまま、幕が開きます。
J. S. バッハ(1685–1750)
『管弦楽組曲第3番』より《G線上のアリア》フルート+ピアノ
バッハの死後、人々に忘れ去られ100年間埋もれていた、静かな祈りのような旋律。
J. S. バッハ(1685–1750)
『平均律クラヴィーア曲集』第1巻より《第1番 前奏曲 BWV 846》ピアノ独奏
静かに、次の曲への扉が開きます。
バッハ=グノー(1818–1893)
《アヴェ・マリア》(1859年)フルート+ピアノ
至宝の流れるような美しい旋律の上に、もう一つの調べが重なるとき。「まず、聴く。知る。そして、もう一度。」がここで起こります。
G. ビゼー(1838–1875)
『カルメン』第1組曲より《間奏曲》フルート+ピアノ
悲劇的な物語の途中で心を和ませながら、まったく違う物語を運んでいきます。
C. ドビュッシー(1862–1918)
『ベルガマスク組曲』より《月の光》ピアノ独奏
スタインウェイの響きだけで満たされる、詩的な情緒と静けさの時間。
W. ポップ(1828–1903)
《ナイチンゲール・セレナーデ Op.447》フルート+ピアノ
鳥の声、木々のざわめき——まだ知らなかった曲との出会いです。
C. フリューリンク(1868–1937)
《ファンタジー Op.55》フルート+ピアノ
幸福感あふれるフルートの調べとピアノのリズミックな対比、陰影のある情感と輝かしい動機、夢のようなパッセージ——すべてが詰まった多彩な作品を、最後に。
定員80名のホールですが、今回はゆったりとした座席配置でお迎えします。奏者と客席の距離が近く、生の音がまっすぐ届きます。
ピアノは、ドイツ・ハンブルク生まれのスタインウェイ。
使用楽器:アメリカ・ボストン生まれ、パウエル社製 総14Kゴールドフルート
海を越えて生まれた二つの楽器が、ひとつのホールで出会う。楽譜が音楽を旅する地図なら、この共演もまた、ひとつの旅の風景です。
山崎孝子と日野佳代子は、オンラインでのご縁から始まりました。東京と神戸——住む場所は離れていても、日野さんが主宰するオンラインピアノサロンに度々顔を出すうち、少しずつ交流を重ねていきました。
昨年の夏、山崎がマネジメントを手がけたユニットの公演で大阪を訪れた際、日野さんが会場に足を運んでくださり、公演後にご一緒したお食事の時間が、ふたりの距離をぐっと近づけました。
「いつか、一緒に演奏できたら。」画面越しに語り合っていた願いが、この秋、ようやく実現します。オンラインではなく、同じ空気の中でみなさんに聴いていただけることを、私たちも楽しみにしています。
当日は、客席のみなさまの反応を見ながら、その場の空気に合わせてお話しします。演奏家だけでつくるコンサートではなく、ご来場のみなさまと一緒に、和やかで心地よい緊張感と、学びと、高揚感と、安らぎを分かち合える時間になるよう準備しています。
山崎 孝子
フルート/企画・構成東京音楽大学フルート専攻卒業。フルート奏者として演奏活動を行う一方、アンサンブルピアニストとして各種コンサート、コンクール・オーディション伴奏などにも多数出演。
5歳よりソルフェージュとピアノを学び、15歳よりフルートを始める。フルートを梅津正好、植村泰一、佐々木真、ドイツにてP.シュミットほか、室内楽を菅原眸、青木十郎、ヴィオラ・ダ・ガンバを千成千徳の各氏に師事。第9回ながのアスペンミュージックフェスティバルにてN.エイシンのマスタークラスを受講。
指導歴は30年以上。東洋英和女学院中高部器楽科、(公財)ソルフェージスクール、宮地楽器専科コース、大和ピアノ教室、ムジカプラス練馬教室ほかで後進の指導にあたる。フルート・ピアノの実技に加え、ソルフェージュ、楽典、和声、楽曲分析など、作品をさまざまな角度から読み解き、実際の演奏へつなげる指導を得意とする。
演奏することだけでなく、「なぜこの音がここにあるのか」「知ることで聴こえ方がどう変わるのか」を、演奏とことばの両方から伝えることを大切にしている。音楽活動と並行して、AI・Notion・Webアプリを活用した仕組み化・業務設計にも取り組み、現在は「AI活用設計コンサルタント|音楽家」として、音楽とテクノロジー双方の視点を生かした活動を展開している。
楽譜は、音楽を旅するための地図です。手がかりを少し知るだけで、平面だった地図に奥行きが生まれます。その入口を、ご一緒にひらけたら。
日野 佳代子
ピアノ大阪音楽大学音楽学部ピアノ専攻卒業。八杉修子、佐藤价子の各氏に師事。伴奏理論・伴奏実習選抜クラスを履修し、ソロに加え声楽・器楽・合唱などの伴奏ピアニストとしても活動。
ヤマハグループレッスン講師として、クラシックからポピュラー、歌、聴音、アンサンブルまで幅広く指導してきた経験を生かし、現在は対面・オンラインでピアノ指導を行う。ピアノdeクボタメソッドによる育脳指導にも取り組む。
無理な練習で腕を傷めた経験から、重力を利用し無駄な力を手放す「地球とつながるピアノ」を提唱。
本公演のために、神戸より来演。
フルートとピアノの音色が重なり生まれる音楽の世界へようこそ!音の扉を開き、思いがけない景色や宝物に出会うような、心が自由に広がるひとときをお届けします。
早割受付は9月14日をもって終了しました。現在は前売3,500円です。
3,500円
当日券は4,000円(残席がある場合のみ)
5,000円
通常チケットと観覧内容は同じです。公演活動を応援してくださる方向けのチケットです。
FAQ
はい、大丈夫です。曲の背景や聴きどころを、演奏の合間にやさしくご案内します。予備知識は必要ありません。
特に決まりはございません。普段のお出かけの装いでお越しください。
おひとりでご来場の方も多くいらっしゃいます。どうぞお気軽にお越しください。
小学生以上のお子さまは歓迎いたします。未就学のお子さまは、恐れ入りますが事前に公式LINEよりご相談ください。
曲の合間であれば、出入りしていただけます。休憩時間のご利用はもちろん、体調等でお席を外されたい場合も、曲間でしたらご遠慮なくどうぞ。
必要ありません。まず聴いていただくところから、このコンサートは始まります。
会場に駐車場はございません。お近くのコインパーキングをご利用ください。詳しいご案内は公式LINEよりお問い合わせいただけます。
恐れ入りますが、会場は車椅子でのご来場には対応しておりません。
ミュージションホール(ミュージション新江古田 1F)/東京都練馬区豊玉中二丁目
環七通り沿いにあり、バスでのアクセスが便利です。
練馬駅・高円寺駅・中野駅から、「豊玉中二丁目」下車、徒歩3分です(時刻の詳細は公式LINEでご案内します)。タクシーもご利用いただけます。
駐車場はございません。近隣のコインパーキングをご利用ください。
会場はマンション内のプライベートホールです。エントランス付近では立ち止まらないよう、ご配慮をお願いいたします。
Googleマップで見る知って聴くと、聴こえ方が変わる
チケット・お問い合わせは公式LINEから2026.11.15(日)15:00開演・練馬
チケット・お問い合わせは公式LINEから